根抵当権の使い方や良いとこ、気をつけるところ

20170906

最近、静岡銀行がアパートローンに対して根抵当権を設定する

ケースがあり質問を何件かいただきました。

・抵当権と根抵当権どう違うのでしょうか。
・根抵当権が付いている場合、今後何か面倒なことが多くなるでしょうか。

 

《抵当権について》

金融機関から借入をすると建物と土地を担保として

提供します。これは返済ができなくなったときには

担保としていた建物や土地を取り上げられるという

ことです。お金を貸す側からみますと貸したお金が

戻らないことがないようにする権利です。

物件ごとに設定していきます。

 

《根抵当権について》

根抵当権は抵当権の一種なのでとらえ方は抵当権と同じ

です。大きく変わるのが継続的な取引が可能で多数の債

権を担保するものとなります。

 

不動産経営に限らず自営業をしている人は自宅や事務所、

工場の不動産に根抵当権を設定して金融機関から設定枠

の中で融資を受けることが良くあります。

建設業などのように仕事の度に大きな費用が発生する業

種では社長の自宅を根抵当権で設定して資金繰りしてい

る会社は沢山あります。

 

設定される極度額と担保空きの差額分は借入しやすく

なります。抵当権のようにその都度登記して融資では

ないので金融機関側も借入側も楽ですし融資費用も

かなり抑えられます。(いちいち登記しないので)

 

《不動産賃貸業での使い方》

今後予期せぬ現金が必要になったとき計画的に修繕を

するためなどが多いかと思います。

枠内であれば借りて返してを繰り返し出来ますので事

業的に使える。

 

《気をつける点》

枠内は簡単に借入できてしまいますがむやみに借りない。

(一応審査はあります。)

なるべく他の物件、他の事業では使わない。

(紐づくと面倒。)

借入金が小額でも根抵当部分から借入を起こすと他行からは

枠分全てを借りているとみられる。

 

《結論としては》

根抵当権の枠内でいざの時に融資受けれる。

むやみに使わない。

使わなければ抵当権とあまり変わらない。

極度額は見直しが入ります。(不動産の評価は毎年変わるので)

返済が進み評価がそのままのだと枠が広がります。

評価高い物件に根抵当権を設定しておき必要なときに運転資金

として活用するなども作戦的には有効かもしれません。